フランスのノエル(クリスマス)は家族が集まる大切な日です。

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スーパーでは献立のヒントにと、ノエルの前には色んな食品がお買い得になります。子供たちへのプレゼントもインターネットに負けじとオモチャの陳列が年々早まり、入り口にはチョコレートが山積みされます。

今年も11月に入るや否や「ノエル」「もうすぐノエル」「ノエルのお買い物は...」と騒ぎ出し、巷では「せわしないったらありゃしない。こんな早くからノエルの話はやめてくれ!」と言っていました。

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ところが11月17日フランス全土で「軽油、ガソリン等にかかる燃料税の引き上げの中止」を目的とした大規模なデモが起こり、騒ぎは沈静化することなく11月24日ジレ ジョーヌ(黄色いベストを着た抗議活動者)達がシャンゼリゼ通りに集結、11月22日にイルミネーションが点灯されたばかりのシャンゼリゼ通りは一部の暴徒化した人たちにより無残な姿に変わり果てました。

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ノエルまであと一か月をきり、例年ならテレビのニュースも各地のマルシェ ド ノエル(クリスマスマーケット)の様子等を映し出し気分が高鳴ってくる頃なのですが、今年は毎日毎日ジレ ジョーヌのニュースから始まる始末です。17日から始まった道路の封鎖は一部ではゆるやかながらも解除されることなく続いており、高速道路の料金所もジレ ジョーヌ達に占拠され無料化されたままです。

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火曜日にマクロン大統領からの話があるということで、どのような回答がされるのかと皆が注目をしておりましたところ、夜を待たずして朝の中途半端な時間に演説は行われました。お昼のニュースでそれを見た旦那が「皆が働いている時間にするなんて、いかに国民に注目して聞いて欲しくないかってことだよ。それだけで内容はわかるさ。」と言いました。

詳しい内容はさておき、一言で言えば「政府としては根本的な方針を変えません」という回答です。

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マクロン大統領は非常に演説に長けた人で、独特のテクニックを持っていると私は思います。

今回の演説は実に一時間に及んだにも関わらず、我々が一番待っていたジレ ジョーヌ達への回答には、ほんの数分しか時間を割かなかったのです。

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サミットで世界各国の方々を相手に話しているかのような地球の環境問題を長々と話し、まるで選挙の公約のような原子炉の段階的閉鎖や風力発電の推進の話をし、私たちが(いったい彼はいつジレ ジョーヌ達への回答をするんだろう?本当に話すんだろうか?)と焦れて待ちあぐねた頃(と言うより上滑りする演説に頭がボーッとしていた頃)やっと、「あなた方の気持ちはわかる」だの「私は一部暴徒化した人たちとジレ ジョーヌ達の区別はついている」とか、演説の冒頭で話していたならば即エリゼ宮に乗り込まれそうなことを優雅に話し始めました。

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実際には話していることを超訳しますと(あんた達さ、あれを改善しろ、これを改善しろって言うけどさ、それには金がいるんだよ!どっかから金をとるしかねぇだろ!)という事なんですけどね。

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彼の私生活は関係ないと言えばないんですけど、さすが25歳年上既婚3人の子持ちの高校教師と愛を貫いただけの不屈の精神を持った人ではあるなぁと悪い意味で感心しております。

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大統領になった時「彼女がいたから今の私がある。彼女に地位を与えてそれなりの報酬を支払いたい。彼女はそれだけの価値がある人だ」と言っていた通り、今ブリジットさんの給料は一か月4万ユーロ(520万円)だと言われています。そして来年には20%アップが予定されていると噂されています。

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選挙で選んだわけでもないブリジットさんの給料がうなぎ登りに上がる一方、私たちはうなぎ登りに上がる燃料税に震えているわけで、国民としてはもう黙っているわけにはいかないのです。そんなに彼女の功労に報いたいのなら自分の給料から払って頂きたいものです。

という事で、ジレ ジョーヌ達はマクロン大統領の回答には満足しておらず、国民に行われたアンケートによるとジレ ジョーヌ達の行動への支持率は73%にも上るそうです。

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今週の土曜日もフランス中でジレ ジョーヌ達の抗議行動は続きます。

マクロン大統領がフランスの今年のノエルを吹き飛ばしました。

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