私は以前にも記事にしましたように、結婚前の数年間添乗員をしていました。
(その時の記事はこちら←クリックで記事に飛びます。) 

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初めて出会うお客さんと過ごした楽しかった思い出は山のようにあるはずなのに、残念ながら大変な思いをしたお客さんのほうが印象に残っていたりなんかします。

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ドイツから入って、スイスを周り、最後はフランスというツアーでした。

最初の事件はスイスのユングフラウヨッホ鉄道に乗って到着した、海抜3454メートルにあるユングフラウヨッホ駅で起こりました。氷河の下にある氷の洞窟アイスパレスなどの観光を終え、再び電車に乗り込み出発を待っていた時に、お客様の一人が私のところにやってきておっしゃいました。

「添乗員さん、私、売店のところに財布を置いてきてしまいました。」
(ぎょえ~。)

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私は時計を見て、まだ間に合うと思ったので電車を飛び降りて、車掌さんに事情を告げ売店に走って行きました。ところが入れ違いになったらしく、売店に着くと、「財布なら車掌さんに渡しに行きましたよ。」と言われたので、また大急ぎで戻り、無事に財布を受け取ることができました。

お客さんはご夫婦で参加されていた50代くらいの女性でした。財布を渡すと、「すみませんでした。」とおっしゃられたので、私も「大丈夫ですよ。お財布があって良かったですね。」と言いました。しかしながら、酸素が薄い中を全力疾走した為、軽い高山病の症状が出てしまい次の駅までシートに倒れこんでしまいました。

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そして次の事件は、スイスのジュネーブで起こりました。

私たちはロングディスタンスコーチ(長距離バス)と言って、ドイツのミュンヘンからスイスのジュネーブまで、ずっと同じ運転手さんが運転するバスで移動していました。

このときの運転手さんが最低で、(まだ私も若かったので)ずっと口説かれていたので、ジュネーブでの夕食が終わってお別れできた時はホッとしました。

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次の日の朝早くにTGV(フランス新幹線)でジュネーブからパリに移動する予定でしたのでホテルの部屋にいると、11時にあのお客さんが部屋を訪ねてこられました。

「添乗員さん、あの、私ね、バスに忘れ物したんです。座席の前ポケットに忘れました。」
とおっしゃいます。
「じゃあ、運転手さんに電話してみますね。ちょっとこの時間ですから起きておられるかはわかりませんが。。。」
と言いながら電話すると、一杯飲まれたようでとてもご機嫌ですぐに応じてくれました。
お客さんに、
「では、今から行きましょう。」と言うと、
「あの、私、これ主人に内緒なんです。言うとまた怒られるんで。すぐに見つかりますから。」
とおっしゃられ、続けて、日本円を1000円渡されました。
「これ、迷惑かけて申し訳ないので、運転手さんにあげてください。」
「......................。はい。」

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ホテルが駅前だったのでパーキングは遠いところにあり、夜道を酔っ払った運転手さんと2人で歩き、バスの中に入った時は、(ここで襲われたとしても誰も助けてくれないし、あのお客さんもなぜ私がバスに来たかは証明してくれないだろう。。。)と、とても怖かったです。

そして私が見つけたのは、白い封筒に入った
絵葉書3枚。。。。゜(´Д`)゜。

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見つかっても電話はするなと言われていたので、翌日お客さんに内緒で渡すと、
「主人にどこに置いたのか叱られるところでした。ありがとうございます。」
と言われました。

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さて、そんなツアーも終わり、帰りの飛行機の中のことです。

まもなく日本に到着する機内で、私はお客さん達に挨拶をしてまわっていました。そして彼女の前に来た時に、彼女は
「添乗員さん、お世話になりました。あの、これとっておいて下さい。」
と手を差し出されました。見ると小銭でした。

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当時の通貨はフランスフランで1フランが約20円、フランの下がサンチームと言って100サンチームで1フランでした。

彼女が差し出したのは1フランに満たないサンチームで、トータルしても20円も無かったのです。空港で使い切れなかったのでしょう。

「いえいえ、結構です。」と言う私に、
「いえいえ、色々ご迷惑をおかけしましたので、どうぞとっておいて下さい。」という彼女。

横で何もおっしゃられないご主人。

「本当にいらないんです!!」って言いたかったなぁ~。。。


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